貸したお金を返してもらえない(貸金),商品を販売したのに代金を払ってくれない(売掛金),請け負った工事を完成させたのに工事代金を払ってくれない(請負代金)など,未回収になっている債権をいかにして回収するか,これが債権回収の問題です。
債権回収で重要なのは,相手方が払わない理由を見極めることです。
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契約の内容に食い違いがあったり,履行された商品やサービスの質に不満があったりして,契約の内容や結果に問題があるため「払いたくない」という場合
この場合は,相手方が「払いたくない」理由を把握し,どちらの言い分に分があるのかを検討した上で,相手方との取引関係(人間関係)への影響も考慮して,手段を選択することになります。
言い分の対立が激しい場合,どちらが正しいかを決める場所=訴訟が主戦場となるでしょう。
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契約の内容や結果に文句はないが,相手方の経済状態が悪化しているため,約束通りに「払えない」という場合
この場合,債権回収にとって重要なポイントとなるのが,@迅速さ(スピード)と,A相手方の情報の把握です。
相手方が破産等してしまえば残念ながら回収はできません。強いて言えば,破産手続等の中で配当を受けられるかもしれないという程度です。相手方の経済状態が悪化している場合,通常は他にも同じような立場の債権者がいますので,債権回収は早い者勝ちとなります。
しかし,いくら迅速に行動しても,相手方に財産がなければ,差し押さえることもできません。相手方にとっても,無い袖は振れないということになるでしょう。
従って,相手方の財産を把握し,とるべき手段の選択と費用対効果の見極めを行い,やるのであれば迅速に行う,これが債権回収のポイントです。
【まとめ】
・ 相手方が支払わない理由を見極めることが重要である
・ 相手方の情報の把握と迅速な対応が債権回収の可能性を高める